歌に教わる英文法

洋楽を通して英文法を理解しましょう

31.THE SHOW MUST GO ON.-QYEEN(MUSTの訳し分け2)

Empty spaces, what are we living for?

(直訳)空っぽのスペース。僕らは何のために生きるているのか?

(意訳)空虚な空間。僕らは何を求めて生きているのか?

Abandoned places, I guess we know the score. ON and ON

(直訳)捨てられた場所。僕は僕らの成績を想像する。これからも続く未来を

(意訳)あてのない未来。先のことはわかっているんだ。続いてゆくことが。

Does anybody know what we are looking for?

(直訳)僕らが捜しているものを誰が知っているのだろう

(意訳)僕らが求めるものは誰にも分るまい。

Another hero, another mindless crime.

(直訳)もう一人の英雄、もう一つの心の無い犯罪

(意訳)新たな英雄も新たな心無い犯罪も見方次第だ。

Behind the curtain in the pantomime

(直訳)パントマイムが演じられるカーテンの裏で

(意訳)パントマイムのカーテンに隠れて(演じられるかぎり)

Hold the line

(直訳)立ち位置を抑えろ

(意訳)退路を抑えるんだ。

Does anybody want to take it anymore?

(直訳)だれかがそれをさらに欲しいのか?

(意訳)誰がそれ以上を望むのか?

The show must go on, the show must go on yeah

(直訳)ショーは続けなければいけないのさ。止めるわけにはいかない。

(意訳)ショーは始まったんだ。止める訳にはいかない。

Inside my heart is breaking

(直訳)僕の心は壊れている

(意訳)僕の心が壊れてゆき

My make-up may be flaking

(直訳)僕の化粧は剝げ落ちてゆくかもしれない

(意訳)化粧が剥げていっても

But my smile still stays on

(直訳)でも僕の微笑みはそのまま続く

(意訳)それでも僕は微笑み続けるんだ

Whatever happens, I’ll leave it all to chance

(直訳)何が起こっても僕はチャンスを掴むためにすべてを残す。

(意訳)何が起ころうと僕はすべてのチャンスに賭ける

Another heartache, another failed romance, on and on

(直訳)もう一つの心の傷、もう一つの恋の失敗。続いてゆく

(意訳)傷つき、恋に破れてしまっても、人生は留まることはない。

Does anybody know what we are living for?

(直訳)僕らが何のために生きているのか、誰が知りたいのだろうか?

(意訳)誰が知りたいと思うのだろうか?僕らがどうしてゆくのか。

I guess I’m learning

(直訳)僕は学んでいると推察する

(意訳)僕は学びつつあるのだろう

I must be warmer now

(直訳)僕は今温められるに違いない。

(意訳)僕はまさに追い詰められて

I’ll soon be turning, round the corner now

(直訳)僕は間もなく角を曲がることになる。

(意訳)間もなく(人生の)曲がり角にさしかかろうとしている。

Outside the dawn is breaking,

(直訳)外は夜が明けつつある。

(意訳)もうすぐ夜が明けるようだ。

But inside in the dark I’m aching to be free

(直訳)しかし、夜の中で僕は自由になるために苦しんでいる。

(意訳)でも、僕はまだ闇の中で自由を求めてもがき苦しんでいる

The show must go on, the show must go on yeah

(直訳)ショーは続けなければならない。ショーは続けなければならない。

(意訳)ショーをやめるわけにはゆかない。決してやめてはいけないんだ。

Inside my heart is breaking

(直訳)僕の心は壊れている

(意訳)僕の心は壊れてゆき

My make-up may be flaking

(直訳)僕の化粧は剝げ落ちてゆくかもしれない

(意訳)化粧だって剥げてゆく

But my smile still stay on

(直訳)でも僕の微笑みはそのまま続く

(意訳)それでも僕は微笑み続けるんだ

My soul is painted like the wings of butterflies

(直訳)僕の精神は蝶のように塗られている

(意訳)僕の魂は蝶のように彩られ

Fairy tales of yesterday will grow but never die

(直訳)昨日のおとぎ話は消えることなく成長してゆく

(意訳)過去の出来事はおとぎ話として永遠に語り継がれることになる。

I can fly, my friend

(直訳)僕はまだ飛べるのさ。友よ

(意訳)さあ、飛ぶのだ、友よ

The show must go on. The show must go on

(直訳)ショーをやめるわけにはゆかない。絶対にやめちゃあいけないいんだ。

(意訳)ショーは止められない。絶対に止めてなるものか

I’ll face it with a grin. I’m never give in

(直訳)僕は笑みで表情を作る。僕は決して屈しない。

(意訳)これからも最高の笑顔を作り、決して屈しない。

On with the show

(直訳)そのショーにおいては

(意訳)ショーが続く限り

I’ll top the bill. I’ll overkill.

(直訳)僕はプログラムのクライマックスに掲載され、僕は最終兵器を使う。

(意訳)僕がクライマックスに君臨し、舞台の最後を飾るのだ。

I have to find the will to carry on

(直訳)僕は続ける意思を見出さなければならない

(意訳)僕は存在意義を見出さねばならない。

On with the show. On with the show. The show must go on.

(直訳)そのショーが続く限り。ショーの中で。ショーは続けなければならない

(意訳)ショーの幕は引けない。終わりはない。ショーに幕引きはない。

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 助動詞の和訳は一通りではなく、文脈で判断する必要があります。「must」に限らず助動詞の和訳は単純ではなく、前回の「there must be an angel」では「must be(状態動詞)」の語順なので、和訳は「天使がいるに違いない」となりました。今回紹介したQUEENの「the show must go on」の楽曲では「must (動作動詞)」の語順なので「show」は「続けなければならない」との和訳が適します。「続くに違いない」と和訳するのは誤りです。状態動詞と動作動詞は英和辞典から判別することが可能で、例えば「have」は英和辞典(ジーニアス)では「持っている」と記載され、「stand」は「立っている/位置している」と記載されています。動かすことができない建物などを論じる場合は状態動詞として扱われます。「live」は英和辞典では「住む/住んでいる」と記載されています。状態動詞は原則的に進行形にすることはできません。もし、「be living in」と表現すると(近日中に移転する)とのニュアンスで伝わります。

 英文に触れてゆくうちに知識は定着してゆきますが、動作動詞と状態動詞を判別するために英和辞典は必須です。

 蛇足ながら、この楽曲は1991年発表の「innuendo」(イニュエンドゥ)に収録されました。同年にフレディ・マーキュリーが帰らぬ人となりましたが、この楽曲に限らず彼らの楽曲は和訳が容易ではありません。従って和訳は個人的に意訳を加えました。