歌に教わる英文法

洋楽を通して英文法を理解しましょう

27.IF I COULD「EL CONDOR PASA」(コンドルは飛んで行く)助動詞「would/could」

I’d rather be a sparrow than a snail

(直訳)僕はカタツムリよりも雀がいい。

(意訳)カタツムリになるくらいなら雀がいい。
Yes I would

(直訳)そうさ、そうしよう。

(意訳)そうさ、そうしよう。
If I could

(直訳)もしも、ぼくが可能であるのなら

(意訳)もしも(本当に)可能であるなら(可能性は低い)
I surely would

(直訳)ぼくは間違いなくそうするさ。

(意訳)僕はきっとそうするはずさ

I’d rather be a hammer than a nail

(直訳)僕は釘よりハンマーになりたい

(意訳)釘になるくらいならハンマーになりたい。
Yes I would

(直訳)そうさ、そうしよう。

(意訳)そうさ、そうするはずさ。
If I only could

(直訳)もしも、ぼくはたった一つでいい。

(意訳)たったそれだけでいいのに。
I surely would

(直訳)そうさ、そうしよう。

(意訳)そうさ、そうするはずさ。

Away, I’d rather sail away.

(直訳)遠く、僕はむしろ出帆したい

(意訳)遠くへ、ずっと遠くへ旅立ちたい。
Like a swan that’s here and gone

(直訳)白鳥のように。それはここから旅立っていった。

(意訳)ここから羽ばたいていった白鳥のように。
A man gets tied up to the ground

(直訳)男は大地に縛り付けられつつあった。

(意訳)人は大地に縛り付けられ
He gives the world

(直訳)彼は世界を与える

(意訳)それでも声をあげる
It‘s saddest sound

(意訳)それは最も悲しい音だ。

(意訳)とても悲しい声を
It‘s saddest sound
(直訳)それは最も寂しい音だ。

(意訳)寂しい響きだけれど。

I’d rather be a forest than a street

(直訳)僕は通りよりもむしろ森を求める

(意訳)街よりも田園の方がいい。
Yes I would

(直訳)そうさ、そうしよう。

(意訳)そうさ、可能であるなら
If I could

(直訳)もしも、可能なら

(意訳)もしも、叶うのであれば
I surely would

(直訳)僕はそうする。

(意訳)僕ならきっとそうする

I’d rather feel the earth beneath my feet

(直訳)僕はむしろ脚の下に地球を感じていたい

(意訳)地面を踏みしめたいんだ。
Yes I would
If I only could
I surely would

 

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サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んで行く」はスペイン語の原曲「EL CONDOR PASA」を和訳したもので、これを取り上げた理由は、助動詞「could」「would」を理解する参考になると考えたためです。助動詞とは動詞と共に使われて、話し手の意思や気分を伝えます。助動詞は中学校で学び始めますが、はじめにつまずくとその後の英文法の授業が退屈でつまらなくなると思います。

文章が長くなりますがご容赦ください。私のサイトでは、英文法の授業がつまらないものにならないように、今後は助動詞を理解するために参考になる楽曲を取り上げ続けてみたいと考えています。能力を定着させるためには反復練習が効果的です。特に年齢が若いうちは、知識が定着するまで誤りを繰り返しながら悠長に構えておけば良いでしょう。興味を持っていないと苦痛ですが、楽曲に興味をもったら、歌詞と和訳を書き写してみることを勧めます。

助動詞「could」を単純に「can」の過去形と理解すると使い方を誤ります。助動詞には多くの意味があり、話し手の意識や気分を表現するため単一の和訳には不向きです。「could」については4つの意味に分類することができると思います。

1番目は「~であれば」(仮定表現)、2番目は楽曲中に用いられた強い意思を表す「~するつもり」と和訳できると考えます。「will」との相違点は、「will」より確信度は若干低いと思われます。3番目は最も多く使われる「~かも知れない」で「may」よりも一般的に使われ、可能性が高まると「might」が良く使われます。4番目は丁寧な依頼「~していただけますか?」と和訳されます。「~できた」と英会話で伝えるには「could」よりも「be able to (do)」の過去形で表現することが得策です。

      「would」は「could」以上に複雑で、「will」の過去形との認識は捨てた方が得策です。おおざっぱに分類すると6つの形に分類されると考えます。一番目は過去の一時点(例えば昨年)から見た未来を表す場合、二番目は現在時点での推量、または予測で「~であるはずだ」との和訳があてはまると思われます。楽曲中の「would」もこれに当てはまります。三番目は丁寧な表現を表す場合で「mayまたはcan」でも同様の意思を伝えることが可能です。丁寧さは、「would>may>can」の順と理解することができます。英語の文化圏で買い物をする際に店員さんから「may I help you?」(何か(何を)お探しですか?とか(何かお手伝いいたしましょうか?)との丁寧な言い回しで話しかけられる場合があります。「would/could/can~」と表現することもできます。使う助動詞によって丁寧さが変わります。四番目は、「I」(自分)を主語にして控え目に意向を伝える表現です。和訳すると「(私は)~であると考えます」と言えます。

五番目は「will」の用法を過去に当てはめたもので、過去の習性を表現したものと理解できるでしょう。六番目は嫌われることが多い非現実の空想を述べる仮定法です。個人的な見解ながら、仮定法の文章を表現することができれば英文法の壁を一つ超えることができたと考えることができるでしょう。ただ、助動詞が個人の意図を表現する以上、話者の気分を表現する方法は数多です。can/could/may/might/will/would/souldなどの助動詞の和訳を厳格に考えすぎて、自縄自縛に陥っている諸君が少ないことは残念に思います。多くの洋楽の中から好きな楽曲の中から多く接するほど、助動詞の和訳に慣れていっていただくことをお勧めしたいと思います。

 「could/would」は辞書の例文を書き出してみることも和訳のニュアンスを理解する一助になろうと考えます。