歌に教わる英文法

洋楽を通して英文法を理解しましょう

30.THERE MUST BE AN ANGEL-EURYTHMICS(助動詞「MUST」の訳し分け)

No one on earth could feel like this

(直訳)地球上の誰もこのような気持ちを感じることはできないかもしれない。

(意訳)誰もこんな気分は味わえないだろうな。

I’m thrown and overflown with bliss

(直訳)僕は至福の中に投げ出されているんだ。

(意訳)今は至福に満たされているのさ。

There must be an angel playing with my heart

(直訳)僕の心の中には天使が遊んでいるに違いない

(意訳)きっと天使と一緒に遊んでいるんだ

I walk into an empty room and suddenly my heart goes boom

(直訳)僕が空っぽの部屋を歩いてゆくと、突如僕の心が高鳴りだしたんだ。

(意訳)僕が空っぽの部屋に歩いてゆくと、急に辺りが賑やかになったんだ。

It’s an orchestra of angels and they’re playing with my heart

(直訳)それは天使たちのオーケストラ。僕と一緒に遊んでくれている。

(意訳)それは一緒に楽しむ天使たちの演奏会

(must be talking to an angel)*

(直訳)天使に話しかけているに違いない。

(意訳)きっと天使と話しているのさ。

No one on earth could feel like this

(直訳)地球上の誰もこのような気持ちを感じることはできないかもしれない。

(意訳)誰もこんな気分は味わえないだろうな。

I’m thrown and overflown with bliss

There must be an angel playing with my heart

And when I think that I’m alone

(直訳)一人でいると感じるときに

(意訳)たった一人でいても

It’s seems more of us at home

(直訳)家には僕ら以上の誰かといるように感じる。

(意訳)誰か一緒にいる気分だ。

It’s a multitude of angels and they’re playing with my heart

(直訳)多くの天使たち。そして彼らが僕のハートの中で遊んでくれているんだ。

(意訳)天使のみんなが僕の中で遊んでくれているのさ。

(must be talking to an angel)*

(直訳)天使に話しかけているに違いない。

(意訳)きっと天使と話しているのさ。

I must be hallucinating watching angels celebrating

(直訳)僕は天使たちのお祝いの幻影を見ているに違いないね。

(意訳)きっと天使の宴の幻をみているんだ。

Could this be reactivating all my senses dislocating

(直訳)僕の感覚がおかしくなって元に戻ろうとしているのかも知れない

(意訳)僕は幻影を見ているのだろうか?

This must be a strange deception by celestial invention

(直訳)これは天界からの招待でおかしな詐欺にあっているに違いない

(意訳)(それとも)天上人からの招待で気がふれてしまったのか?

Leavin’ me the collection of your heavenly connection

(直訳)君との天国のような繋がりのコレクションを私に残しながら

(意訳)天国にいるかのような感覚を残して

 

I walk into an empty room and suddenly my heart goes boom

It’s an orchestra of angels and they’re playing with my heart

 

 

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「will」から「could」「would」といった助動詞の和訳についていくつかの洋楽を参考にして述べてきました。推量を表す助動詞は推量または確信の度合いによって和訳も変わります。可能性が低い「かも知れない」場合は「could」で可能性が高まるに従って「might」や「would」「will」となり、推量が確信に変わると「must」(~に違いない)となります。

今回取り上げたユーリズミックスのThere must be an angelは「天使がいるに違いない」と和訳されます。「must」の和訳は一般的には「~しなければならない」と教わりますが、「~に違いない」との和訳も同時に教わります。今回の楽曲では「違いない」と和訳しました。

「must」の訳し分けは後の動詞によって判定することができます。動詞は自動詞・他動詞の分類以外に「動作動詞」と「状態動詞」に分類され、mustに「動作動詞」が続く場合は「~しなければならない」と和訳され、「状態動詞」が続く場合は「~に違いない」と和訳されます。be 動詞は状態動詞なので、「there must be an angel」は「天使がいるに違いない」と和訳されます。

 動作動詞と状態動詞の区別は英文法では多くの局面で和訳に影響します。状態動詞は「~の状態にある」和訳されるので原則的に進行形に表現すえることができません。例えば「live」の和訳は「住んでいる」なので「I’m living in Osaka」と表現すると「間もなく転居する」ニュアンスで伝わります。「have」は「持っている」と和訳することはあっても「持つ」との和訳では不正確になる場合があります。さらに「know」は「知っている」と和訳できますが「(知らない状態から)知る」という動作は表現できず、使われる動詞が変わります。つまり状態動詞は原則的に進行形にすることはできません。ただ、例外も存在し、「love」は状態動詞ですが、場合によって進行形で使われることも可能です。動作動詞と状態動詞の判別は英和辞典でわかります。

 動作動詞と状態動詞の相違点を理解しておかないと、英会話において誤ったニュアンスが伝わってしまうリスクがあります。英会話において動詞の表現の誤りがあると相手に自身の意図が伝わらないどころか誤解を与えるリスクすらあります。英語を学ぶ際に英文法が重視されなければならない理由はここにあり

29.I WOULD- ONE DIRECTION(助動詞「would」3

Lately I found myself thinking

(直訳)最近、僕は自身で考えていることに気がついたよ。

(意訳)最近、気がついたことがあるんだ。

Been dreaming about you a lot.

(直訳)君についてたくさん夢に見てきたからね。

(意訳)君が幾度も夢にでてきたのだからね。

And up in my head I’m your boyfriend

(直訳)僕の頭の中で起きたことは、僕は君のボーイフレンドなのに

(意訳)夢の中では、僕は君の彼氏なのに

But that’s one thing you’ve already got

(直訳)でも、ひとつ君がもう手に入れたことがあるんだ。

(意訳)現実の君に僕は必要ないみたい

He drives to school every morning

(直訳)彼は毎日、車で学校にやってくる。

(意訳)君の彼氏は車で登校するね。

While I walk alone in the rain

(直訳)僕が雨の中、一人で登校する間

(意訳)僕が雨の中、一人で登校するってのに

He would kill me without any warning

(直訳)彼は僕を殺しそうだんだ。

(意訳)僕は彼に殴り倒さちまうかもしれない。

If he took a look in my brain

(意訳)もしも、彼が僕の頭の中をのぞき見したら

(意訳)もしも、彼が僕の考えていることを知ったら。

Would he say he’s in LOVE ?

(直訳)彼は「愛してる」というの?

(意訳)彼は「好きだ」って言ってくれるのかい?

Well if it was me then I would

(直訳)そうさ、僕ならそうするよ

(意訳)そうさ、僕ならそう言うよ

I would

(直訳)僕ならね

Would he hold you when you’re feeling low?

(直訳)彼は、君が落ち込んでいるときに抱きしめてくれるのかい?

(意訳)君が落ち込んだら彼は抱きしめてくれるかい?

Baby you should know that I would

(直訳)君には僕がそうすると気づいてほしいのさ

(意訳)僕なら、そうしてあげられることをわかって欲しいのさ

Back in my head we were kissing

(直訳)頭の中で僕らはキスをしていたんだ。

(意訳)妄想の中で僕らはキスをしていたんだ。

I thought things were going alright

(直訳)僕はうまくゆくと考えていた

(意訳)その時はうまくいっていたはずなんだ。

With a sign on mu back saying ‘’kick me ‘’

(直訳)背中には「僕を蹴って」のサイン

(意訳)(でも実際には)「僕を蹴って」の張り紙

Reality ruined my life

(直訳)現実が僕の人生を破綻させるんだ。

(意訳)実際は僕の人生を台無しにしてしまうんだ。

It feels like I’m constantly playing

(直訳)それは、ずっと戦い続けるような気分だ。

(意訳)いつでも戦い続けている気分さ。

A game that I’m destined to lose

(直訳)僕がめけることが運命づけられたゲーム

(意訳)負けることが決まっているゲームみたい。

‘Cause I can’t compete with your boyfriend

(直訳)なぜなら僕が君のボーイフレンド戦うことはできない。

(意訳)だって君の彼氏に勝てっこないし。

He’s got twenty-seven tattoos

(直訳)彼は27のタトゥーを入れている。

(意訳)27のタトゥーを入れる彼に

Would he say he’s in LOVE ?

Well if it was me then I would

I would

Would he hold you when you’re feeling low?

Baby you should know that I would

I would

Would he say he’s in LOVE ?

Well if it was me then I would

I would

Would he hold you when you’re feeling low?

Baby you should know that I would

I would

Would he please you?

(直訳)彼は君を喜ばせてくれるのかい?

(意訳)彼は君を楽しませてくれるのかい?

Would he kiss you?

(直訳)彼はキスしてくれるの?

Would he treat you like I would?

(直訳)彼は僕がしようとするように君を扱ってくれるのかい

(意訳)彼は僕のように優しく接してくれるの?

Would he touch you?

(直訳)彼は触れてくれるのかい?

Would he need you?

(直訳)彼には君が必要なのかい?

(意訳)君は必要とされているの?

Would he love you like I would

(直訳)彼は僕がしようとするみたいに君を愛してくれるのかい?

(意訳)彼は僕みたいに君を愛してくれるのかい?

Would he say he’s in LOVE ?

Well if it was me then I would

Would he hold you when you’re feeling low?

Baby you should know that I would

 

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ONE DIRECTION の「I WOULD」を取り上げました。

「WOULD / COULD」に限らず、助動詞の和訳は複雑です。しかし今回取り上げた楽曲

ONE DIRECTION(ワン・ダイレクション)の「I WOULD」の助動詞理解しやすい楽曲であろうと思います。この楽曲での「I WOULD」は「僕ならそうする」と和訳され得ると考えます。ちなみに、「I WILL」とすると「僕ならきっと(絶対)そうする」というニュアンスになります。つまり「WILL」「WOULD」は推量を表現しますが、「WILL」の方が「WOULD」より推量の度合いが高くなります。以前にも述べましたが、推量の度合いは助動詞においては、

could(かも知れない)<might<may<can<would<will<must(に違いない)の順序になると思われます。このように、助動詞に限らず多くの英文に接して和訳に取り組むのは英文法の理解を深めるためにも有用であろうと考えます。

 

 

28.change the world-ELIC CRAPTON(助動詞would/could)2

If I can reach the stars, pull one down for you,

(直訳)もしも星に手が届くなら、一つを君のために引き下ろしてあげよう。

(意訳)もしも星に手が届くのなら、一つ君にあげよう

Shine it on my heart, so you can see the truth

(直訳)それで私の心を照らしてください。そうしたら、君は真実を目にすることができる。

(意訳)その星で僕の心の中を照らしておくれ、それで君は真実を知ることができるよ

That this love I have inside, is everything it seems

(直訳)私が内に持っているこの愛、それがすべてのように思える。

(意訳)僕の中は君への愛でいっぱいなんだ。

But for now I find, it’s only in my dream

(直訳)でも今、私は見つける。それはただの私の夢の中にしかないものであると。

(意訳)でも今ではね、それはただの夢だとわかったんだ。

And I can change the world, I will be the sunlight in your universe

(直訳)そして私は世界を変えられる。私は君の宇宙の太陽の輝きになってみせる。

(意訳)だから僕は世界を変えられる。僕は君の宇宙の光になれるよ。

You would think my love was really something good,

(直訳)君は僕の愛が本当に良いものと思ってくれるはずなんだ。

(意訳)君は僕の愛が本当に素晴らしいと思ってくれるはずさ。

Baby if I could change the world

(直訳)君よ、もしも僕に世界を変える力があったら。

(意訳)ねえ、僕に世界を変えることができたらいいのに。

If I could be king, even for a day, I’d take you as my queen, I’d have it no other day.

(直訳)もしも一日だけ王様になれるなら、僕は君を女王様にします。僕にはほかの日がなくても

(意訳)もしも例えたった1日でも王様になれたら、君を女王様にしたいな。それしか考えられない。

And our love would rule, this kingdom we had made,

(直訳)そして、僕らの愛が世界を統制するつもりです。これは僕らが創った王国です。

(意訳)そして、僕らの-愛は世界中に拡がるのさ。

till then I’d be a fool, wishing for the day

(直訳)それまで、僕がおろかだと思われていても、その日を望みながら

(意訳)そうなるまでは僕が愚か者だと言われても、そんな日を待ち続けているよ。

And I can change the world, I will be the sunlight in your universe

(直訳)そして、僕は世界を変えることができる。僕は君の宇宙の光になる。

(意訳)僕は世界を変えることができる。君の中の光になるんだ。

You would think my love was really something good,

Baby if I could change the world

Baby if I could change the world

 

I could change the world, I would be the sunlight in your universe

You would think that my love was really something good

Baby if I could change the world

Baby if I could change the world

 

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【dictions】

 

早世した自身の子供を偲んでエリック・クラプトンが創ったといわれる楽曲です。サイモン&ガーファンクルの「if I could」(「コンドルは飛んで行く」)の中でも取り上げましたが、この楽曲でも助動詞「could/would」が用いられています。

前回、「could」には4つの意味を挙げました。「1.(仮定表現の)~であれば」「2.(強い意思を示す)~するつもり」「3.(可能性の低い推量を示す)~かも知れない」「4.(canよりも丁寧な依頼の意思を示す)~していただけますか?」和訳にあたっては文脈の中で判断します。推量を表現することができる助動詞は、「could」が低い可能性を示す「~かも知れない」、最も一般的な「might」(「could」よりも可能性が高まる)、さらに可能性が高まると「can」<「would」<「will」<「must」と採用される単語が変化します。つまり、推量(かも知れない)の可能性が高まると確信(~だろう)や意思(~する)に、さらに高まると断定(~に違いない)に変わります。

また、「~することができた」と表現する場合に「could」を使うと「何度も~することができた」のニュアンスで相手に伝わります。達成が初めてまたは一度だけの場合は「be able to(do)」で表現しなければなりません。助動詞に限らず正確な英文法を理解していないと、意図が伝わらず誤解される恐れすらあります。

27.IF I COULD「EL CONDOR PASA」(コンドルは飛んで行く)助動詞「would/could」

I’d rather be a sparrow than a snail

(直訳)僕はカタツムリよりも雀がいい。

(意訳)カタツムリになるくらいなら雀がいい。
Yes I would

(直訳)そうさ、そうしよう。

(意訳)そうさ、そうしよう。
If I could

(直訳)もしも、ぼくが可能であるのなら

(意訳)もしも(本当に)可能であるなら(可能性は低い)
I surely would

(直訳)ぼくは間違いなくそうするさ。

(意訳)僕はきっとそうするはずさ

I’d rather be a hammer than a nail

(直訳)僕は釘よりハンマーになりたい

(意訳)釘になるくらいならハンマーになりたい。
Yes I would

(直訳)そうさ、そうしよう。

(意訳)そうさ、そうするはずさ。
If I only could

(直訳)もしも、ぼくはたった一つでいい。

(意訳)たったそれだけでいいのに。
I surely would

(直訳)そうさ、そうしよう。

(意訳)そうさ、そうするはずさ。

Away, I’d rather sail away.

(直訳)遠く、僕はむしろ出帆したい

(意訳)遠くへ、ずっと遠くへ旅立ちたい。
Like a swan that’s here and gone

(直訳)白鳥のように。それはここから旅立っていった。

(意訳)ここから羽ばたいていった白鳥のように。
A man gets tied up to the ground

(直訳)男は大地に縛り付けられつつあった。

(意訳)人は大地に縛り付けられ
He gives the world

(直訳)彼は世界を与える

(意訳)それでも声をあげる
It‘s saddest sound

(意訳)それは最も悲しい音だ。

(意訳)とても悲しい声を
It‘s saddest sound
(直訳)それは最も寂しい音だ。

(意訳)寂しい響きだけれど。

I’d rather be a forest than a street

(直訳)僕は通りよりもむしろ森を求める

(意訳)街よりも田園の方がいい。
Yes I would

(直訳)そうさ、そうしよう。

(意訳)そうさ、可能であるなら
If I could

(直訳)もしも、可能なら

(意訳)もしも、叶うのであれば
I surely would

(直訳)僕はそうする。

(意訳)僕ならきっとそうする

I’d rather feel the earth beneath my feet

(直訳)僕はむしろ脚の下に地球を感じていたい

(意訳)地面を踏みしめたいんだ。
Yes I would
If I only could
I surely would

 

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サイモン&ガーファンクルの「コンドルは飛んで行く」はスペイン語の原曲「EL CONDOR PASA」を和訳したもので、これを取り上げた理由は、助動詞「could」「would」を理解する参考になると考えたためです。助動詞とは動詞と共に使われて、話し手の意思や気分を伝えます。助動詞は中学校で学び始めますが、はじめにつまずくとその後の英文法の授業が退屈でつまらなくなると思います。

文章が長くなりますがご容赦ください。私のサイトでは、英文法の授業がつまらないものにならないように、今後は助動詞を理解するために参考になる楽曲を取り上げ続けてみたいと考えています。能力を定着させるためには反復練習が効果的です。特に年齢が若いうちは、知識が定着するまで誤りを繰り返しながら悠長に構えておけば良いでしょう。興味を持っていないと苦痛ですが、楽曲に興味をもったら、歌詞と和訳を書き写してみることを勧めます。

助動詞「could」を単純に「can」の過去形と理解すると使い方を誤ります。助動詞には多くの意味があり、話し手の意識や気分を表現するため単一の和訳には不向きです。「could」については4つの意味に分類することができると思います。

1番目は「~であれば」(仮定表現)、2番目は楽曲中に用いられた強い意思を表す「~するつもり」と和訳できると考えます。「will」との相違点は、「will」より確信度は若干低いと思われます。3番目は最も多く使われる「~かも知れない」で「may」よりも一般的に使われ、可能性が高まると「might」が良く使われます。4番目は丁寧な依頼「~していただけますか?」と和訳されます。「~できた」と英会話で伝えるには「could」よりも「be able to (do)」の過去形で表現することが得策です。

      「would」は「could」以上に複雑で、「will」の過去形との認識は捨てた方が得策です。おおざっぱに分類すると6つの形に分類されると考えます。一番目は過去の一時点(例えば昨年)から見た未来を表す場合、二番目は現在時点での推量、または予測で「~であるはずだ」との和訳があてはまると思われます。楽曲中の「would」もこれに当てはまります。三番目は丁寧な表現を表す場合で「mayまたはcan」でも同様の意思を伝えることが可能です。丁寧さは、「would>may>can」の順と理解することができます。英語の文化圏で買い物をする際に店員さんから「may I help you?」(何か(何を)お探しですか?とか(何かお手伝いいたしましょうか?)との丁寧な言い回しで話しかけられる場合があります。「would/could/can~」と表現することもできます。使う助動詞によって丁寧さが変わります。四番目は、「I」(自分)を主語にして控え目に意向を伝える表現です。和訳すると「(私は)~であると考えます」と言えます。

五番目は「will」の用法を過去に当てはめたもので、過去の習性を表現したものと理解できるでしょう。六番目は嫌われることが多い非現実の空想を述べる仮定法です。個人的な見解ながら、仮定法の文章を表現することができれば英文法の壁を一つ超えることができたと考えることができるでしょう。ただ、助動詞が個人の意図を表現する以上、話者の気分を表現する方法は数多です。can/could/may/might/will/would/souldなどの助動詞の和訳を厳格に考えすぎて、自縄自縛に陥っている諸君が少ないことは残念に思います。多くの洋楽の中から好きな楽曲の中から多く接するほど、助動詞の和訳に慣れていっていただくことをお勧めしたいと思います。

 「could/would」は辞書の例文を書き出してみることも和訳のニュアンスを理解する一助になろうと考えます。

 

26.I will always love you - Whitney Huston 助動詞「will」の使い方

If I should stay, I would only be in your way

(直訳)もしも私が留まるべきなら、私は君の道にいるだろう。

(意訳)ここにいても、僕は君の負担にしかならない。

So I’ll go but I know

(直訳)だから私は行くけれども、私は分かっている。

(意訳)だから僕は去るけれども分かってはいるんだ。

I’ll think of you every step of the way

(直訳)私は道の歩みと共に君のことをきっと考える。

(意訳)僕はきっと君を忘れることはないよ。

And I will always love you. I will always love you.

(直訳)そして私はいつも君を愛しています。私はあなたを愛しています。

(意訳)だからこそ僕は君を愛しているんだ。僕はきっと君を忘れない。

You my darling you. mhhh

(直訳)君、愛する君よ。ああ

(意訳)君。最愛の君。ああ

Bitter sweet memories, that is all I’m taking with me.

(直訳)苦くて甘い記憶たち。それは私と共に連れてゆくすべて。

(意訳)ほろ苦くて甘い記憶。僕はそれだけを手に生きてゆく。

So goodbye, please don’t cry.

(直訳)だからさようなら。どうぞ泣かないで。

We both know I’m not what you, you need.

(直訳)私たちは両方わかっている。私はあなたが必要なものではないことが。

(意訳)僕らは互いに分かっているんだ。僕が君に必要ではないことは。

And I will always love you. I will always love you.

(直訳)そして、私はいつも君を愛してゆく。私はいつもきっと君を愛してゆく。

(意訳)それでも、僕は君を絶対に愛していく。きっと愛していくんだ。

I hope life treats you kind

(直訳)私は人生が君を優しく扱うことを希望する。

(意訳)これからの人生が幸あるものでありますように。

And I hope you have all you dreamed of.

(直訳)そして私は君の夢に見るすべてを手にすることを希望する。

(意訳)そして、君の夢がすべて叶いますように。

And I wish to you joy and happiness.

(直訳)そして私は君が喜びと幸福に包まれることを祈る。

(意訳)そして幸ある未来が訪れますように

But above all this, I wish you love.

(直訳)しかし、すべてのこれを超えて、私はあなたを愛しています。

(意訳)でもそれ以上に僕は君を愛していたいんだ。

And I will always love you. I will always love you.

(直訳)そして、私はいつもあなたを愛してゆきます。いつもあなたを愛しています。

(意訳)だから僕は君を愛し続ける。ずっと君を愛してゆくんだ。

I will always love you. I will always love you.

(直訳)そして、私はいつもあなたを愛してゆきます。いつもあなたを愛しています。

(意訳)僕は君を愛している。ずっと君を愛してゆくんだ。

I will always love you. I will always love you.

You, darling I’ll always, I’ll always love you.

(直訳)君が最愛の人。私はいつも。私はいつもあなたを愛してゆきます。

(意訳)君が大好きだ。これからもずっと。僕は君を愛し続けてゆくよ。

 

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 映画「ボディーガード」でホイットニー・ヒューストンが歌った主題歌

「I always love you」を取り上げました。この楽曲は、助動詞「will」を理解するための良い教材になると考えます。今回の楽曲では「will」の和訳をことさらに強めて和訳しました。「will」は「~するつもり」と教わると思いますが、「I will~」と言うと「(きっと)~する」の強い意思が含まれ、アメリカの結婚式での宣誓では、新郎と新婦のいずれも神父(または牧師)の問いかけに「I will(必ず(愛します)」と応えます。「will」には「必ず~します」のニュアンスがあります。

 「You will」となると、(1)相手の意思・意向・決断(2)推量・予測を示す文章になりますが、「will you~」となると「~してくれよな」といったニュアンスで伝わるので注意が必要です。「~していただけますか?」と伝えたい場合は「would you~」

とすれば丁寧な表現になります。

 また、「will」は「be going to」書き換えられると教わりますが、一般的に「will」は書き言葉で用いられ、「be going to」は話し言葉で用いられることが多いと思います。また、「will」は確定した未来の予定、またはその場の話し手の決断と理解すればよく、「be going to」は話し手の「心づもり」と理解すればよいでしょう。

今後、別の楽曲でも触れてゆきますが、助動詞の和訳は単純ではなく、会話でも頻繁に使われる「can」や「could」は「~できる」「~できた」と和訳されることは稀です。助動詞に単純な和訳を採用することはできません。面倒くさいと思われるのは英文法の宿命かも知れませんが、映画の登場人物の台詞や楽曲での言い回しは英文法の教材になり得ます。どの助動詞にどのような日本語が当てはまるか経験を深めることで、日本語の理解も同時に深まります。

25.the rose - bette midler-関係代名詞「that」「who」と接続詞「that」の使い方

Some say love it is a river that (関係代名詞)drown the tender reed

(直訳)何人かは言う。愛、それは柔らかい葦を溺死させる川であると。

(意訳)愛とは河だという人がいる。か弱い若芽をのみ込んでしまうと。

Some say love it is a razor that (関係代名詞)leaves your soul to bleed

(直訳)何人かは言う。愛、それは出血する魂を奪う刃であると。

(意訳)愛とは刃だという人がいる。魂を傷つけ奪い去ると。

Some say love it is a hunger and endless aching need

(直訳)何人かは言う。愛、それは飢えで終わりのない苦しい欲求であると。

(意訳)愛とは飢えだという人がいる。決して満たされない渇望であると。

I say love it is a flower and you its only seed

(直訳)僕は言う。愛、それは花だと。そして君はその唯一の種子なのだと。

(意訳)僕は思う。愛、それは花であると。君は大いなる可能性を秘めているのだと。

It’s the heart afraid of breakin’ that (関係代名詞)never learns to dance

(直訳)それは決して踊ることを学ぶことはない傷つくことを恐れる心。。

(意訳)傷つくことを恐れたら楽しく踊ることも学べない。¥

It’s the dream afraid of wakin’ that(関係代名詞) never takes the chance

(直訳)それは、決してチャンスを掴むことはない、覚めることを恐れる夢。

(意訳)夢を諦めたらチャンスを掴むことはできない。

It’s the one who (関係代名詞)won’t be taken who(関係代名詞) cannot seem to give

(直訳)それは与えることができそうになく手に入れることができない人だ。

(意訳)与えることができない人は何も手に入れることもできない。

And the soul afraid of dyin’ that (関係代名詞)never learns to live

(直訳)そして決して生を学ぶことはできない死を恐れる心。

(意訳)死を恐れていては、生きる勇気を理解することはできない。

When the night has been too lonely and the roads has been too long

(直訳)夜があまりに長く、道があまりに長いとき

(意訳)夜が長く、独りぼっちで寂しいとき

And you think that(接続詞) love is only for the lucky and the strong

(直訳)そして愛が幸運と力だけであると君が考える

(意訳)そして運と力で世界が動くと思えても

Just remember in the winter for beneath the bitter snows

(直訳)冬の深い雪の下にあるものを覚えておくんだ

(意訳)でも、覚えておいて。冬の深い雪の下であっても

Lies the seed that (関係代名詞)with the sun’s love in the spring becomes the rose

(直訳)春には太陽の愛と共に薔薇になる種が横たわっているのだ。

(意訳)春には優しい日の光が育ててくれる薔薇の種子が芽生えることを

 

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【dictions】

some~:いくらかの~⇒~(人/もの)がある/いる

drown:(他動詞)~を溺死させる

reed:葦、葦

bleed:(自動詞)出血する

bitter snow:深い雪

 

今回は、ベット・ミドラーの1979年にアメリカで公開された「ローズ」の主題歌を取り上げました。

さて、英語の和訳にあたっては日本語のセンスも重要になると考えます。楽曲の和訳にあたっては直訳と意訳の双方を表記しましたが、英語の言い回しは日本語と比較して直接的です。直訳ではぎこちない表現になるため、日本語のセンスも必要になると考えます。要するに、英語と日本語の双方を学んでゆくことをお勧めします。語彙力は重要です。

24.happy new year ‐ ABBA-助動詞「may」の意味

No more champagne and the fireworks are through.

(直訳)もうシャンパンは無く、花火たちは過ぎている。

(意訳)シャンパンは空いて、花火も上がり終わったね。

Here we are.Me and you feeling lost and feeling blue.

(直訳)僕らはここにいる。そして僕と君は残念でブルーな気分だ。

(意訳)僕らは空虚で少しばかりブルーな気分でいたんだ。

It’s the end of the party and the morning seems so grey

(直訳)パーティーは終わる。そして朝は陰鬱に見える。

(意訳)パーティーは終わってしまい、どんよりとした朝みたいだ。

So unlike yesterday now’s the time for us to say.

(直訳)そう、昨日とは違う僕らにとって言うべき時だ。

(意訳)それで昨日とは違う今だから言えることがあるんだ。

Happy new year, happy new year

明けましておめでとう。新年おめでとう。

May we all have a vision now and then

(直訳)私たちが新しい今とこれからの光景を手にすることができますように。
(意訳)さあ、新しい未来が見られますように。

Of a world where every neighbor is a friend

(直訳)世界のそれぞれの隣人が友人でいられますように。

(意訳)世界中のみんなと仲良しでいられますように。

Happy new year, happy new year

May we all have our hopes, our will to try

(直訳)私たちのすべてに私たちの希望と取り組む意思が持てますように。

(意訳)私たちすべての願いと取り組みが適います様に。

If we don’t we might as well lay down and die. you and I.

(直訳)もしも私たちがそうでないなら、倒れて死んだうがよい。君も僕も。

(意訳)もしも、そうならないなら死んでしまったようがマシさ。

Sometimes I see how the brave new world arrives

(直訳)時々僕には見えるんだ。どれほどの勇気が世界に届いているのか。

(意訳)時には世界に前向きな気持ちが満ちてくるときもある

And I see how it thrives in the ashes of our lives

(直訳)そして我々が灰の中でいかばかりか繁栄する様が見える。

(意訳)そして荒んだ社会での幾ばくかの繁栄が見える。

Oh yes, man is a fool. And the thinks he will be OK

(直訳)そうです。人は愚かなものです。そしてそれでも自分は大丈夫なのだ。

(意訳)ああ、そうさ、人間は愚かな生き物で自分さえ良ければいいと思ってる。

Dragging on, feet of clay

(直訳)粘土の脚を引きずりながら

(意訳)重い脚を引きずりだらだらと進んでゆく。

Never knowing he’s astray, keep on going anyway

(直訳)彼は灰皿であることを知ることもない。とにかく進んでゆく。

(意訳)自分の進むべき道も分からずに歩みを止めることもない。

Happy new year, happy new year

May we all have a vision now and then

Of a world where every neighbor is a friend

Happy new year, happy new year

May we all have our hopes, our will to try

If we don’t we might as well lay down and die you and I.

Seems to me now that the dreams we had before

(直訳)僕には今、こう思える。以前に見た夢は

(意訳)僕には今、こう思えるんだ。過去に思い描いた夢は

Are all dead, nothing more than confetti on the floor

(直訳)みんな死んでしまっただと。床の紙吹雪以上のモノではないと。

(意訳)すべて消え失せてしまった。床に散らばる紙吹雪に過ぎなかったのだと。

It’s the end of the decade in another ten years time

(直訳)10年が終わり新たな10年に

(意訳)10年が過ぎ去り新たな10年は

Who can say what we’ll find

(直訳)僕らが何を見つけるか誰が言うだろう

(直訳)僕らが何を見つけるかなど、誰にもからない。

What lies waiting down the line

(直訳)何が将来に待っているか。

(意訳)未来に何が待ち構えているのかを。

In the end of 89

1989年の最後に。

Happy new year, happy new year

May we all have a vision now and then

Of a world where every neighbor is a friend

Happy new year, happy new year

May we all have our hopes, our will to try

If we don’t we might as well lay down and die you and I.

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【dictions】

May:祈り・願望を意味します。

 I wish you a happy new year..

 映画STARWARS の中で 

MAY THE FORCE BE WITH YOU.「フォースと共にあらんことを」

と用いられます。

might as well(do):(do)した方法が良い

 HARRY POTTER DETHLY HARROW でも

 ミネルバ先生の台詞で登場します。

thrives:栄える、繁栄する、成長する

dragging:「drag」の現在分詞。自動詞「drag on」でだらだら進む。

nothing more than:~以上の何ものでもない⇒~過ぎないに

confetti:紙吹雪、紙テープ、キャンディ

decade:10年間

down the line:将来

 

新たな年の始まりに、ABBAのhappy new year を取り上げました。

英文の和訳には日本語の語学力も求められます。日本語の表現にバリエーションがあるように英語の表現にも異なるニュアンスが存在します。つまり英語を日本語に変換する際には母語の理解や表現についての知識が必要になります。ギクシャクした和訳を避けるためにも母語(日本語)の理解も深めたいものです。

 この楽曲には助動詞「may」が登場します。皆さんは学校の授業で「~かも知れない」と学ぶことが多いと思われますが、助動詞の意味は単一ではありません。是非、和英辞典で調べてみてください。大雑把にとらえて「may」には(1)可能性・推量(~かも知れない、~だろう(2)許可(~してよい)横柄な言い方(3)祈願・願望(~でありますように)、などの意味があります。「may」に限らず、「can / could / might / will / would / must 」などの助動詞の和訳については広い意味があります。これらの助動詞についても、別の楽曲でご案内します。