歌に教わる英文法

洋楽を通して英文法を理解しましょう

22.another town another train(見知らぬ街の少女)-ABBA

Day is dawning and I must go

日が明けてゆく。僕は行かなくちゃ

You’re asleep but still I’m sure you’ll know

(直訳)君は眠っているけれども僕は君がきっとわかっていると考えている

(意訳)君はまだ眠っているけれどもきっとわかってくれるよね。

Why it had to end this way,

 何でこんな風に終わらせなければならなかったか。

You and I had a groovy time

君と僕は目くるめくような(楽しい)時を過ごしたね。

But I told you somewhere down the line

(直訳)でも僕は言ったよね。どこかの未来で

(意訳)でも僕は言ったはずさ。いつかは去って行かなければならないって。

You would have to find me gone, I just have to move along

(直訳)君は僕が去ったことを知らなければならなかった。(仮定法完了形)僕は前進しなければいけないだけだと

(意訳)君には理解してもらいたいんだ。僕が行かなければならないことを。

Just another town another train

(直訳)ただのもう一つの街そしてもう一つの列車

(意訳)また新たな街へ新たな列車で

Waiting in the morning rain

(直訳)朝の雨の中で待ちながら

(意訳)雨の朝(恋人たちの別れを暗示する表現)に列車を待ちながら

Lord give my restless soul a little patience

(直訳)神よ、休息の無い魂に小さな忍耐をください

(意訳)神様、忙しない僕にもう少し根気があったらよかった。

Just another town another train

Nothing lost and nothing gained

(直訳)間にも失わず、何も進歩しない。

(意訳)失わない人生に進歩は無い。

Guess I will spend my life in railway stations

(直訳)僕がどれほどの人生を駅で過ごすことになるのか想像してくれ

(意訳)僕は何度の別れを経験するのだろう

Guess I will spend my life in railway stations

When you wake I know you’ll cry

(直訳)君は目が覚めてきっと泣くだろう

(意訳)君は目覚めて泣いてしまうだろう。

And the words I wrote to say goodbye

(直訳)そして僕が書いたさよならの言葉

(意訳)そして僕からの別れの手紙を目にすることだろう。

They won’t comfort you at all

(直訳)それらは君を慰めることはまったくないだろう。

(意訳)(でも)それはきっと全然君への慰めにはならないね。

But in time you will understand

(直訳)でもいつか君は理解できるだろう

(意訳)でもいつかは理解してくれるよね。

That the dreams we dreamed were made of sand

僕たちが見た夢は砂でできていたことを。

For a no-good bum like me to live is to be free

(直訳)僕のような浮浪者が生きてゆくのは自由であるということ。

(意訳)僕みたいな流浪の人間は落ち着くことは無いのだと。

Just another town another train

Waiting in the morning rain

Lord give my restless soul a little patience

Just another town another train

Nothing lost and nothing gained

Guess I will spend my life in railway stations

Guess I will spend my life in railway stations

 

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【dictions】

dawn:(自動詞)夜が明けてゆく

groovy:素敵な、いかした、(すごく)楽しい

somewhere down the line:いつかのある時点で

Lord:ここでは「貴族」より「主よ」と和訳しますが、和訳では「神様」としました。英語圏で「Lord」はある種の特別な意味を持ちます。

1970年代前半に活躍したABBAは2021年でデビューして50周年を迎え新たな楽曲がリリースされました。筆者も「ダンシングクイーン」に接してアルバムをいくつか購入しました。スウェーデン出身であるABBAの楽曲は初心者にも聴き易く文法は比較的平易です。取り上げた楽曲には「見知らぬ街の少女」の邦題が付与されています。

楽曲を和訳する際に難しいのは日本語での表現です。日本語には「ジェンダー(性別)」や「年齢(age)」「文化または価値観」の観念が色濃く反映されます。今回は男性の主観で和訳しましたが、どのような立場で理解するかは聴く側の自由です。言い換えれば、聴く側の想像力や語学力も求めれられるのです。英語の楽曲を通じて日本語の語学力を向上させることも可能であろうと思います。勉強することは楽しいことです。楽しく学んでいただきたいと思います。

また、英語は性別や年齢の感覚が薄く日本語の価値観ではある意味で「ぶっきらぼう」です。敬語が存在しないという意見もありますが、それは不正確な考え方で「丁寧」な表現は存在します。一例を挙げると「can you~」(~できる?)「will you~」(~してもらえる?)さらに丁寧な表現にすると「would you~」「could you~」(~していただける?)と和訳できます。助動詞に限らず、丁寧語な表現も多く存在するので実際の表現に触れて学ぶこ