歌に教わる英文法

洋楽を通して英文法を理解しましょう

3-2.You raise me up(ユー・レイズ・ミー・アップ)セルティック・ウーマン(文法編)‐動作動詞と状態動詞

When I am down and oh my soul so weary

When troubles come and my heart burdened be

Then I am still and wait here in the silence

Until you come and sit a while with me

You raise me up , so I can stand on mountains

You raise me up to walk on stormy seas

I am strong when I am on your shoulders

You raise me up to more than I can be

There is no life–no life without its hunger

Each restless heart beat so imperfectly

But when you come and I am filled with wonders

Sometimes I think I glimpse eternity

 

You raise me up , so I can stand on mountains

You raise me up to walk on stormy seas

You raise me up to more than I can be

You raise me up , so I can stand on mountains

You raise me up to walk on stormy seas

I am strong when I am on your shoulders

You raise me up to more than I can be

www.youtube.com

【dictions】言い回し

be down:落ち込んでいる(平常から落ち込むときは get downと表現します)

weary:(形容詞) 疲れた、へとへとな(tiredより堅い表現です)

    weary look 疲れた表情

burdened:(他動詞)荷を負わせる、悩ます、苦しめる

raise me up:僕を奮い立たせえてくれる(私を立ち直らせてくれる)

  raise = lift ですがlift よりも堅い表現です。

stand:(自動詞)立つ(動作動詞)

                               立っている(状態動詞)この場合進行形は不可)

    歌詞の和訳は状態動詞(立っている)と解釈しました。

glimpse:(自動詞)(ちらりと)見る glimpse at

eternity:永遠、永久

more than I can be:可能性のcan(私が今いるよりもっと) ⇒ 今よりもっと

助動詞〈can〉の使われ方

  • 能力 ~できる

<注意1>感覚動詞(see/hear/feel/smell/taste) は進行形にすることは不可能ですが

      can の後の感覚動詞には進行形と同じニュアンスとなります。

      (例)I can hear (聞こえている)

         I can see(見えている)

  • 可能性または推量  ~かもしれない (may / might)、~でありうる

推量を意味する助動詞

(以下、右にゆくほど推量が強まります

         could <might<may<can<should<ought to<would<will<must

  • 許可 (直訳)~できる (意訳)~してもよい
  • 依頼  (直訳)~できる (意訳)~したい
  • 申し出または提案
  • 命令

 

<注意2>

過去形 could が「できた」と和訳することができるのは稀です。(「sing」でも取り上げました)

過去に「できた」意図を伝える場合は 主に be able to の過去形が使われます。

この楽曲は、初心者にも大変聞き易いだけでなく、助動詞「can」を学ぶための教材にもなり得ると考えて取り上げました。「can 」には上記の通り、非常に広い使い方があり「できる」とだけ覚えていると、別の用法に接したときに混乱します。「can」だけではなく「could」やそのほかの助動詞も今後に紹介する楽曲の中で触れてゆきます。また動詞「stand」にも触れました。「stand」は「座る」という〈動作〉を表現する場合と「(ある場所に)立っている」という〈状態〉を表現する場合があります。〈状態〉を表現する場合には進行形にすることができません。個人的には助動詞と動詞に関する理解が深まると英文法の知識が深まるだけではなく、日本語とのつながりに関する視野も広がります。

4曲目には「I write the songs(B・マニロウ)」邦題「歌の贈り物」を取り上げます。

 

英文法一つだけ学びましょう(ワンポイントgrammer) 

第3回「動作動詞」と「状態動詞

動詞の重要性に言及してきました。「say」 「tell」 「talk」 「speak」 の4つの動詞のニュアンスによる相違のほか、「 let 」も取り上げました。以上の5つの動詞は英文法の理解に必須です。

今回は「ユー・レイズ・ミー・アップ」の歌詞に登場する2種類の動詞に触れたいと思います。動詞には「動作動詞」と「状態動詞」の区分があります。動きを表す動作動詞に対して、状態を表す動詞が状態動詞です。状態動詞にはそれほど種類は多くなく、「be動詞」がその代表で、「ユー・レイズ・ミー・アップ」では「be動詞」のほかに「stand」が登場します。この楽曲では「stand」を「状態動詞と解釈して和訳しました。動作動詞の場合は「立ち上がる」「置く」などと和訳されますが、状態動詞の場合は「立っている」(建っている)「~の状態である」などと和訳されます。状態動詞である場合には進行形にすることができません今後も楽曲に登場する場合は触れますが、代表的な状態動詞をいくつか示します。「live」には「住んでいる」という意味が含まれますので 「I’m living in Osaka」と表現することはできますが、「living」の表現には「一時的な」含みがあるので、ネイティブとの会話では「近いうちに移転する」という含みがあります。基本的には 「I live in Osaka」が妥当です。また「have 」には動作動詞として「手に入れる、食べる、~させる」意味と状態動詞の「所有している」の2つの側面があります。さらに「see」は動作動詞として「見る」、状態動詞として「見える」、「smell 」動作動詞として「匂いをかぐ」状態動詞として「匂いがする」と和訳されます。そのほかには「feel / look / know / lie / seem / belong / taste 」があります。動作動詞と状態動詞の違いを理解することができると英語の語学力が向上すると思います。

3-1.You raise me up(ユー・レイズ・ミー・アップ)セルティック・ウーマンpart1

When    I   am  down    and   oh    my       soul      so      weary

(接続詞)(代名詞)(be動詞)(副詞) (接続詞)(間投詞)(代名詞)(名詞)(形容詞)(形容詞)

(直訳)僕が落ち込んで魂が重く沈んでいるとき

(意訳)落ち込んで気分が重いとき

When troubles come      and   my   heart    burdened  be

(接続詞)(名詞) (自動詞)(接続詞)(代名詞)(名詞)(形容詞)(be動詞)

(直訳)困難が訪れて僕の心の重荷になった時

(意訳)つらい気分になって落ち込むとき

Then   I     am   still   and   wait  here in the silence

(副詞)(代名詞)(be動詞)(形容詞)(接続詞)(自動詞)(副詞)(前置詞)(冠詞)(名詞)

(直訳)それからは僕は静かにじっと留まり待っているよ。

(意訳)そんなときはここで静かにじっと待っているよ。

Until   you  come  and   sit    a   while with  me

(接続詞)(代名詞)(自動詞)(接続詞)(自動詞)(冠詞)(名詞)(前置詞)(代名詞)

(直訳)君が来て僕と一緒にいてくれる間

(意訳)君が傍に来てくれるまで

You    raise   me   up ,      so    I   can   stand  on  mountains

(代名詞)(他動詞)(代名詞)(前置詞)(接続詞)(代名詞)(助動詞)(助動詞)(前置詞)(名詞)

(直訳)君は僕を立ち上がらせる。それで僕は山の上に立っていることはできる。

(意訳)君は僕を奮い立たせてくれる。だから山の上にだって立っていられるんだ。

   You   raise  me      up   to   walk   on  stormy seas

(代名詞)(他動詞)(代名詞)(前置詞)(前置詞)(自動詞)(前置詞)(形容詞)(名詞)

(直訳)君は僕を立ち上がらせる。嵐の海を歩くために。

(意訳)君が僕を奮い立たせてくれる。だから僕は嵐の海だって歩けるんだ。

   I    am    strong  when   I    am   on   your  shoulders

(代名詞)(be動詞)(形容詞)(接続詞)(代名詞)((be動詞)(前置詞)(代名詞)(名詞)

(直訳)君の肩の上にいるときには僕は強い。

(意訳)君と一緒にいれば僕は強い僕でいられるんだ。

You       raise   me     up     to      more  than   I     can   be

(代名詞)(他動詞)(代名詞)(前置詞)(前置詞)(形容詞)(接続詞)(代名詞)(助動詞)(be動詞)

(直訳)君は僕を立ち上がらせる。僕がそうであるよりも

(意訳)君と一緒なら僕はもっと強くなれるんだ。

There  is     no   life  no      life without  its  hunger

(副詞)(be 動詞)(形容詞)(名詞)(形容詞)(名詞)(前置詞)(代名詞)(名詞)

(直訳)飢え無しの人生は存在しない。

(意訳)飢えることがない人生なんてない。

Each   restless  heart  beat  so  imperfectly

(形容詞)(形容詞)(名詞)(名詞)(副詞)(副詞)

(直訳)それぞれのハートはとても不完全に脈打っているんだ。

(意訳)人の心なんて不安定なものさ

    But   when  you  come      and       I   am  filled  with  wonders

(接続詞)(副詞)(代名詞)(自動詞)(接続詞)(代名詞)(be動詞)(他動詞)(前置詞)(名詞)

(直訳)しかし、君が来ると不思議と心が満たされる。

(意訳)それでも、君が横にいてくれるだけで心が満たされるんだ。

Sometimes I think I glimpse eternity

(直訳)時には永遠がちらりと見えると思う

(意訳)僕らの安らぎが永遠に続くとすら思えるんだ。

You raise me up , so I can stand on mountains

You raise me up to walk on stormy seas

You raise me up to more than I can be

You raise me up , so I can stand on mountains

You raise me up to walk on stormy seas

I am strong when I am on your shoulders

You raise me up to more than I can be

www.youtube.com

【dictions】

単語、文法、言い回しに関しては、次回にご案内いたします。

2-2.sing(シング)カーペンターズ(文法編)‐使役動詞「LET」

 Sing, sing   a   song    sing       out    loud

(自動詞)*2(冠詞)(名詞)(自動詞)(副詞)(副詞)

歌いましょう 歌を 歌いましょう大きな声で

 Sing        out    strong

(自動詞)(副詞)(副詞)

(直訳)声に出して歌いましょう 強く

(意訳)歌いましょう 力強く

 Sing     of    good     things   not      bad

(自動詞)(前置詞)(形容詞)(名詞)(副詞)(形容詞)

(直訳)歌いましょう 良いことを 悪いことではなく

(直訳)歌いましょう 明るい気持ちで

     Sing    of    happy         not           sad

(自動詞)(前置詞)(形容詞)(副詞)(形容詞)

(直訳)幸せの歌を寂しいことではなく

(意訳)辛いことではなく 楽しいことを考えて

Sing, sing  a    song  make   it     simple  to  last    your   whole life long

(自動詞)*2(冠詞)  (名詞) (使役動詞)  (代名詞) (形容詞) (前置詞) (動詞) (代名詞) (形容詞) (名詞) (形容詞)

(直訳)歌いましょう 歌を 簡単にしよう君の長い人生を続けるために

(意訳)歌いましょう 歌を 難しく考えずに前向きに

Don’t  worry  that     it’s not         good  enough for   anyone  else to  hear

(助動詞) (動詞) (接続詞) (代名詞+be動詞) (形容詞) (副詞) (前置詞) (代名詞) (副詞)(前置詞)(動詞)

(直訳)心配しないでほかの誰かに声が届いていなくても

(意訳)気にしないで 難しく考えずに

Just   sing,   sing   a   song

(副詞)(自動詞)(自動詞)(冠詞)(名詞)

(直訳)ただ歌いましょう 歌を

(意訳)歌うだけでいいんだよ

La,la,la,la,la,la

Sing,   sing   a     song   let    the     world    sing      along

(自動詞) (自動詞)(冠詞) (名詞)(他動詞) (冠詞)(名詞)(自動詞)(副詞)

(直訳)歌いましょう 歌を 世界が一緒に歌わせてあげよう。

(意訳)歌いましょう 歌を 世界が一緒に歌うよ。

Sing   of   love  there could  be

(名詞)(前置詞)(名詞)(副詞)(助動詞)(be動詞)

(直訳)愛の歌を。そこは望む愛がある。

(意訳)愛を歌いましょう。愛はっとそこにあるよ。

 Sing      for      you    and     for     me

(名詞)(前置詞)(名詞)(接続詞)(前置詞)(代名詞)

(直訳)あなたと私のための愛を歌いましょう

(意訳)あなたと私のために歌いましょう

Sing, sing   a   song  make  it      simple  to  last  your   whole   life   long

(自動詞)*2(冠詞((名詞) (使役動詞)(代名詞) (形容詞) (前置詞) (動詞) (代名詞) (形容詞) (名詞) (形容詞)

(直訳)歌いましょう 歌を 難しく考えずに 人生がずっとうまくゆくように

(意訳)歌いましょう 生き抜いてゆくために

Don’t   worry that     it’s not        good  enough for  anyone  else   to   hear

(助動詞) (動詞) (接続詞) (代名詞+be動詞) (形容詞) (副詞) (前置詞) (代名詞) (副詞)(前置詞)(動詞)

(直訳)気にしないで 誰かに声が届いていなくても

(意訳)気に病むことなんて何も無いのさ

   Just       sing,       sing        a      song

副詞)(自動詞)(自動詞)(冠詞)(名詞)

(直訳)ただ歌いましょう 歌を

(意訳)歌うだけでいいのさ

【dictions】言い回し

out:(形容詞)(副詞)外へ

(前置詞)~の外に

(他動詞)~を出す

(自動詞)出る

sing out (力を込めて)歌いましょうというニュアンスです

loud (形容詞)(副詞) 音が高い、大きい、大きく

strong (形容詞)(副詞) 強い、強く、丈夫な

make it simple  (直訳)それを簡単にさせよう

          (意訳)難しく考えずに

 make の使い方 GENIUSⅣ(英和辞典) より

  • 作る、製作(製造)する 
  • 引き起こす
  • (人・もの・何かが)(人などに)強制的に~させる 

この歌詞の中での使われ方です。

     V(make)O (it) C (simple)  第5文型です。 

     O=C(it is simple)という文章が成立します。

     「to last your whole life long」 は修飾語句(M)となります。

last :(自動詞)続く、継続する

your whole life long (直訳)あなたの全部の人生が長く

(意訳)一生ずっと

let(V) the world (O) sing (do) along

(直訳)世界を一緒に歌わせてあげる

(意訳)世界が一緒に歌うよ    

let : (他動詞) SVO do(動詞の原形)の語順で 

              (人が)(人に)~させてあげる  または

            ~することを許す(allow) と和訳できます。

(無理やり)強制する場合は、「let」ではなく「make」を使います。

Let’s は let us の略語です。

could (助動詞) can の過去形ですが可能性を表しています。

                              「できた」とは訳しません。

         canとcould は非常に広い使い方があり、

                                それぞれの違いは今後触れます。

         この楽曲では、可能性を示す「かもしれない」と和訳しました。

 

www.youtube.com

英文法一つだけ学びましょう(ワンポイントgrammer) 第2回 「使役動詞 let」

「シング」の楽曲に登場する 「let」は英文法の理解を含めるには重要な動詞です。英語の授業では「使役動詞」として学ぶはずですが、「使役動詞」とは、(誰か)が(誰かまたは何か)に行動を促す動詞です。使役動詞には「let」「make」「have」「get」があります。

1.l et. 主語(人)- let -目的語(人) 動詞(原形) の語順で

               (望み通りに)~させてあげると和訳することができます。

          Let us の短縮形が Let's です。

2.make.(人)-動詞(原形) の語順で

         「(人)に~(強制的に)させる」と和訳されます。

この動詞は広い意味で重宝する動詞ですが、「使役動詞」としての顔については、次回に紹介する楽曲で改めて取り上げます。

3.have.

4.get.

これらの2つの動詞にも「使役動詞」としての顔を持っています。

改めて別の楽曲とともに案内します。

英文法の理解を深めるためには「語順」はとても重要です。「語順」に誤りがあると

英文自体が俗にいう 「broken」になってしまい、話し手の意図が伝わらないどころか、相手に誤解を与える恐れがあります。英文法を正しく理解することで、「正しい語順」で「意思が伝わる文章」になります。

 

次回の3曲目には「ユー・レイズ・ミー・アップ」を取り上げます。

2-1.sing(シング)カーペンターズpart1

Sing, sing a song sing out loud

歌いましょう 歌を 歌いましょう大きな声で

Sing out strong

(直訳)声に出して歌いましょう 強く

(意訳)歌いましょう 力強く

Sing of good things not bad

(直訳)歌いましょう 良いことを 悪いことではなく

(直訳)歌いましょう 明るい気持ちで

Sing of happy not sad

(直訳)幸せの歌を寂しいことではなく

(意訳)辛いことではなく 楽しいことを考えて

Sing, sing a song make it simple to last your whole life long

(直訳)歌いましょう 歌を 簡単にしよう君の長い人生を続けるために

(意訳)歌いましょう 歌を 難しく考えずに前向きに

Don’t worry that it’s not good enough for anyone else to hear

(直訳)心配しないでほかの誰かに声が届いていなくても

(意訳)気にしないで 難しく考えずに

Just sing, sing a song

(直訳)ただ歌いましょう 歌を

(意訳)歌うだけでいいんだよ

La,la,la,la,la,la

Sing, sing a song let the world sing along

(直訳)歌いましょう 歌を 世界が一緒に歌わせてあげよう。

(意訳)歌いましょう 歌を 世界が一緒に歌うよ。

Sing of love there could be

(直訳)愛を歌いましょう。そこにきっとある愛を

(意訳)愛を歌いましょう。愛はっとそこにあるよ。

Sing for you and for me

(直訳)あなたと私のために歌いましょう

(意訳)あなたと私のために歌いましょう

Sing, sing a song make it simple to last your whole life long

(直訳)歌いましょう 歌を 難しく考えずに 人生がずっとうまくゆくように

(意訳)歌いましょう 生き抜いてゆくために

Don’t worry that it’s not good enough for anyone else to hear

(直訳)気にしないで 誰かに声が届いていなくても

(意訳)気に病むことなんて何も無いのさ

Just sing, sing a song

(直訳)ただ歌いましょう 歌を

(意訳)歌うだけでいいのさ

 

www.youtube.com

アメリカのテレビ番組「セサミストリート」の挿入歌をカーペンターズが取り上げた楽曲です。1973年(当時は小学生!)にビルボードチャート(全米)で最高位3位にランキングされ、翌年の来日コンサートでも子供たちとともに日本語で披露されました。前回の「ヒア・カムズ・ザ・サン」と同様に中学生程度の英語力であれば容易に理解することができ歌詞です。歌詞の中には、初心者にも理解しやすい英文法がちりばめられています。

前回は「here」と「there」を取り上げましたが、「sing」の歌詞には動詞を修飾する副詞が何度も登場します。

「loud」「out」「strong」「simple」「bad」「sad」 これらの副詞を英和辞典で例文を調べることをお勧めします。「ヒア・カムズ・ザ・サン」でも副詞の「here」「there」を取り上げました。副詞とは用言(活用することができる語句)を修飾する品詞で、例えば「【速く】走る(人)」(動詞を修飾)「【美しく】広がる(景色)」(形容詞を修飾)「【高く】澄んだ(空)」(形容詞を修飾)などと表します。

 

例文を辞書で調べて書き取ってゆくと英文法の習得が進展します。ただ、面倒であれば聞き流すだけで構いません。多くの英語の楽曲に接してゆくうちに少しずつ習得してゆけると思います。英語の言い回しは日本人には難解な部分が少なくありませんが、多くの楽曲に触れてゆくうちに理解することができるようになります。

第3回は

「you raise me up(ユー・レイズ・ミー・アップ)」を取り上げます。

 

 

【dictions】

単語、文法、言い回しに関しては、次回にご案内いたします。

 

 

1-2.Here comes the sun(ヒア・カムズ・ザ・サン)ジョージ・ハリスン (文法編)‐ 副詞here/there 動詞「言う」

 

Here   comes    the     sun,    here  comes     the     sun,

(副詞)(自動詞)(冠詞)(主語)(副詞)(自動詞)(冠詞)(主語)<倒置(強調)>

さあ、日が昇るよ 日が昇るよ 。さあ、日が昇るんだ。

and    I   say .   It’s      all    right

(接続詞)(主語)(動詞)(代名詞+be動詞)(副詞)(形容詞)

そう言っただろう もう大丈夫。

Little   darling.   It’s          been    a     long cold lonely winter.

(形容詞)(名詞)(代名詞)(助動詞<has>)(過去分詞)(冠詞)(形容詞)*2 (名詞)

( ねえ君 ) 長く寒くて 孤独な冬だったね。

Little        darling.    It        feels    like   years  since   it’s been here.

(形容詞)(名詞)(代名詞)(自動詞)(前置詞)(名詞)(前置詞)(代名詞)(be動詞)

                                  (助動詞<has>)

( ねえ君 ) ここで何年も過ごしたように感じるよ。

Here comes      the       sun, here comes the sun,

(副詞)(自動詞)(冠詞)(主語)<倒置(強調)>*2

ほら、朝日が昇るよ。さあ 日が昇るよ 

And   I       say .       It’s                 all         right

(接続詞)(主語)(動詞)(代名詞+be動詞)(副詞)(形容詞)

だから僕の言ったとおりさ もう大丈夫。

Little         darling. The   smiles returning   to   their      faces.

(形容詞)(名詞)   (冠詞)   (名詞)(形容詞)(前置詞)(代名詞)(名詞)

( ねえ君 ) みんなの笑顔が戻ってきたよ。

Little         darling. It         seems like   years  since  it’s been here.

(形容詞)(名詞)(代名詞)(自動詞)(前置詞)(名詞)(前置詞)(代名詞)(be動詞)                                          

                                  (助動詞<has>)

( ねえ君 ) ここに何年もいたみたいだ。

Here comes     the      sun,     here    comes      the      sun, and I say . It’s all right

(副詞)(自動詞)(冠詞)(主語)(副詞)(自動詞)(冠詞)(主語)<倒置(強調)>

ほら朝日が昇るよ 日が昇るよ そう言ったろう もう大丈夫。

Sun sun sun here it comes. *

お日様が、お日様が、お日様が、さあ、昇って来るんだ

Little darling. I feel that ice is slowly melting.

( ねえ君 ) 氷は少しずつ融けてゆくよ。

Little darling. It seems like years since it’s been clear.

( ねえ君 ) ここで何年も過ごした気分だよ。

Here comes the sun, here comes the sun, and I say . It’s all right

ほら、日が昇るよ 日が昇るよ だからね もう大丈夫。

 

 

このサイトでは洋楽を通して英語の文法や語順を紹介します。

言語には歴史や文化の違いに基づく表現方法(文法)の違いが存在します。文法を理解しないと、意図が伝わらないどころか誤解を与えるリスクがあります。異文化圏の人々との意思の疎通を円滑に進めるためには文法の知識が必要です。

最初に取り上げる楽曲は、J.ハリソンが作詞作曲した「ヒア・カムズ・ザ・サン」です。歌詞はシンプルで、中学生程度の英語力でも理解することができるものです。ただ、この楽曲中には英文法を向上させられる材料がたくさんあります。

 ここでは、3つのテーマを取り上げます。

 

テーマ1.副詞「here」と「there」

副詞とは動詞、形容詞、副詞などを修飾する品詞です。

例えば「【速く】走る(人)」(動詞を修飾)「【美しく】広がる(景色)」(動詞を修飾)「【高く】澄んだ(空)」(形容詞を修飾)などと表します。

副詞「here」または「there」は用途が広く使い勝手の良い単語ですが、使い方を理解しないと戸惑います。

Here is/are または、there is /are の英文は中学生の早いうちに学習する単語で日常会話の中でも頻繁に使われますが「ヒア・カムズ・ザ・サン」では歌いだしの「here」 を「ここに(で)」と和訳すると日本語のつじつまが合いません。

「here」は対象が話し手から近く、「there」は対象から離れた位置のあることを示します。細かく言うと「here」は「自分の手が届く範囲」が対象となり、副詞として文の頭に置くことで相手の注意を引くことができます。従って楽曲中でも「さあ/ほら」と和訳しました。

Here I am. と言えば「ただいま」「さあ(目的地に)着いた」 (= I‘m hereの倒置)

Here we are. と言えば複数の人間が「帰ってきた」「さあ/やっと(目的地に)着いた」 (= we are here の倒置)

Here we go. は「(さあ)行くぞ」

Here you are. /  Here you go は「(人に何かを手渡す際に)さあ、どうぞ」(=Here it is の倒置.).

Here it is /they are は 「ここにありますよ」「さあ、どうぞ」

一方、「there」は「自分の手が届く範囲の外」が対象となります。

 There is/are S の語順で「S(名詞/句)がある」と和訳される英文は中学生のうちに学習しますが、この場合の「there」はモノの存在を示すだけの形式主語です。

 There you are (ほら)そこにあります/います。さあ、どうぞ (= There you go./There it is)

 

テーマ2.動詞「say」「tell」「talk」「speak」

 文法を誤ると意思が伝わりません。会話成り立つのは私たちが日本語の文法と語順を知っているからです。

最初に伝えたいことは「英語は動詞が重要である」ということです。動詞の使い方を誤ると、「意思が伝わらない」「意図を誤解される」恐れがあります。今回は、誰でも知っている「言う」行為を表現する英単語に触れてゆきます。これらの動詞は中学生であれば早い段階で学ぶ動詞です。「言う・話す・告げる」などオーソドックスに使われる動詞を4つ取り上げてみます。それぞれのニュアンスを理解してください。

Say(他動詞)「言う」「述べる」内容が単語に続きます。

  〈語法〉

多くの場合 S(主語)V(動詞) にthat節/wh節が続いて 「~と言う 」または 

「~という趣旨を言う」「 ~と(書いて)ある 」と和訳されます。

受動態にはならず、「 (人から)言われた場合は 「tell」が用いられます。 

tell(他動詞)聞き手が存在します。

多くの場合「告げる」または「伝えると和訳され、他にも「知らせる(知る)」とか「教える」と和訳できる場合があって広い意味があります。

多くの例文に接して英文法に慣れましょう。

  〈語法または語順〉

  S(主語)V(動詞)O(人)O(こと) または 

  S(主語)V(動詞)O(こと)to(人)の語順になります

  (例文) 彼は私に秘密を教えてくれた。

  He told me a secret.

  He told a secret to me

  That節wh節が続く場合は

  S(主語)V(動詞)that/wh節 の語順になります。

  S(主語)V(動詞)to do(不定詞の名詞用法)の場合は

   多くの場合「命じる(ask/requireより強い依頼)」を意味します。

   人が主語の場合

   (自動詞)として「口外する」「言いつける」などとも訳せます。

talk(自動詞)

会話の相手が存在し、会話がある状態です。「しゃべる」と訳されます。

会話のキャッチボールが存在し得る状況です。

  〈語法〉 

talk to (人) 対等の人物に「話かける」ニュアンスです。

speak(自動詞)

聞き手の有無は関係なく 「(一方的に)話をする」 行為を指します。

   演説する、主張する意味合いも含まれます。

  〈語法〉

  speak to (人) 目上の人が目下の人に「言い聞かせる」ニュアンスがあります。

  映画では「上下関係」が浮き上がります。講和などは「speech」です。

 

テーマ3.動詞「feel」(他動詞)

*知覚動詞のため一般的に進行形にはできません)

S(主語)V(動詞)O(目的語)の語順(第3文型)で

(人が)(もの・事)に触ってみる  (人が)(もの・事)に気づく(sense)

(人が)(もの・事)を知覚する

  S(主語)V(動詞)O(目的語)to do の語順(第3文型)で

        (人が)~するのに気づく

  S(主語)V(動詞)that節/または O(目的語)to doの語順(第3文型)で

     (人が)Oを~と思う/~と感じる

 (自動詞)の場合

 S(主語)V(動詞)C(形容詞)(またはM)の語順(第2文型)で

     (人が)~の感じを覚える

 S(主語)V(動詞) as if / like

      (人が)(あたかも)~であるように感じる

feel は語順とニュアンスに注意しましょう。

 

終わりに

英文を和訳する能力を積み上げてゆくためには、英文法はもちろん日本語の能力も必要です。

英語の楽曲に親しむ場合、「英和辞典」は必須です。一連の和訳にあたっては「ジーニアス第4版」を参考にしてゆきますが、英文法を一朝一夕に習得することは簡単ではありません。好きな楽曲に出会うことができたら、歌詞を覚えて後から内容の文法を理解してゆくことができると思います。筆者は、中学生のときに「カーペンターズ」「ビートルズ」「サイモン&ガーファンクル」などの洋楽に触れながら英語を学びました。

次回は、カーペンターズの「シング」を紹介します。

 

1.Here comes the sun (ヒア・カムズ・ザ・サン)ジョージ・ハリスンpart1

Here comes the sun, here comes the sun, and I say . It’s all right

ほら日が昇るよ 日が昇るよ 僕の言うとおり もう大丈夫。

Little darling. It’s been a long cold lonely winter.

( ねえ君 ) 長く寒くて 孤独な冬だったね。

Little darling. It feels like years since it’s been here.

( ねえ君 ) ここで何年も過ごしたように感じるよ。

Here comes the sun, here comes the sun, and I say . It’s all right

ほら日が昇るよ 日が昇るよ 僕の言うとおり もう大丈夫。

Little darling. The smiles returning to their faces.

( ねえ君 ) みんなの笑顔が戻ってきたよ。

Little darling. It seems like years since it’s been here.

( ねえ君 ) ここに何年もいたみたいだ。

Here comes the sun, here comes the sun, and I say . It’s all right

ほら日が昇るよ 日が昇るよ 僕の言うとおり もう大丈夫。

Sun sun sun here it comes. *

お日様が、お日様が、お日様が昇るんだ

Little darling. I feel that ice is slowly melting.

( ねえ君 ) 氷は少しずつ融けてゆくよ。

Little darling. It seems like years since it’s been clear.

( ねえ君 ) ここで何年も過ごした気分だよ。

Here comes the sun, here comes the sun, and I say . It’s all right

ほら日が昇るよ 日が昇るよ 僕の言うとおり もう大丈夫。

www.youtube.com

【dictions】

単語、文法、言い回しに関しては、次回にご案内いたします。

 

初めて取り上げた楽曲は、元「ビートルズ」のJ.ハリソンが作詞作曲した「ヒア・カムズ・ザ・サン」です。歌詞はシンプルで、中学生程度の英語力でも理解することができると思われます。なお、歌いだしの「here」 を「ここに(で)」と和訳すると日本語のつじつまが合いません。

英語の楽曲に親しむ場合、「英和辞典」は必須です。一連の和訳にあたっては「ジーニアス第4版」を参考にしてゆきますが、英文法を一朝一夕に習得することは簡単ではありません。好きな楽曲に出会うことができたら、歌詞を覚えて後から内容の文法を理解してゆくことができると思います。筆者は、中学生のときに「カーペンターズ」「ビートルズ」「サイモン&ガーファンクル」などの洋楽に触れながら英語を学びました。

次回は「カーペンターズ」の「sing」(シング)を取り上げます。

歌に教わる英文法-introduction

関東の某私立大学を卒業し某金融企業に就職しました。

成績は褒められたものではありませんでしたが、

大学4年生の時に英検は2級、TOEICで750点程度の英語力があったおかげで

就職先では国際営業部に配属されました。

学歴は地元の市立中学、県立高校、私立大学(教育学部)で

特別な教育を受けたわけではありません。

英語の語学力は完全に「趣味」の延長です。

語学力はほとんどを1970~80年代の洋楽から習得しました。

最近、2人の娘たちが英文法の習得に難儀しているので、

向学のために好きだった洋楽の歌詞を印刷して渡してみました。

すると、娘たちから「歌詞の中の表現を教えて」と言われてはっとしたのが

このブログを立ち上げるきっかけになりました。

幸い次女は希望の大学に晴れて入学することが適ったので

娘のために作った歌詞カードの和訳と文法をこのブログで公開することにしました。

前提として、高校生程度の英文法の知識で理解することができるように連載します。

今回は前書き程度です。